08 August, 2017

海の底、プールの底

Fireworks 2017 Summer ,Atami  Shizuoka Japan




 熱海へ海水浴に。娘の友人家族が花火のよく見えるマンションを所有しているということで誘ってもらいご一緒させていただいた。一昨年もお誘いいただき熱海の海で海水浴デビューした娘たち。時が経って学校がかわったり、いつも一緒に遊ぶ仲間がかわったりしてくると、そのうち誘ってもらえなくなるかなぁ、と。そもそも高校生くらいになったら子どもたちだけで親は誘ってもらえないか。そう思うと、今のうち。娘たちのおかげさまだ(笑

  海で泳ぐ、って思い出してみてもいつ以来だろう。田舎が信州だったぼくは海へ遊び行くことは少なくて、泳いでも川遊びばかり。中学校で泳いだっけ?もしかしたら小学校より前かもしれないな。一昨年の熱海で久しぶりに海で泳いで、寄せては返す波の強さや、暖かい流れと冷たい流れの混ざった不思議な感じ、海水のしょっぱさを新鮮な驚きとともに味わった。今年は娘たちもプールで特訓して少し泳げるようになって、それに付き合って来たぼくも、最近になって平泳ぎやクロールの泳ぎ方をあらためて学び直した。水泳ってがんばるとすぐに疲れて泳げなくなっちゃうのね。無駄な抵抗をやめていかに楽して、スムーズに泳ぐか。そうして長く泳げるようになってくると、水に浮かんで流れに乗っているあの浮遊感は病みつきになる。
 二年ぶりの海はやっぱりとてもしょっぱくて、でも少し沖に設置された浮島まで泳いで行くと、海底にはゆらゆらと魚が泳いでいて、キラキラと陽射しの差し込む海は見とれるほどキレイ。水深は5メートルくらいだろうか、海底を眺めながら泳ぐと、とても高度感があってまるで空を飛んでいるかのようだった。あぁ、ダイビングをしてる人たちってこの感覚にはまったのかなぁなんて思いながら、でもその高度感=深さにちょっとゾッとしたりして、息の吸えない世界、人が住めない異世界が無限に広がっている海に畏れとも憧れとも思えるような感情を抱く。それは先月登った山にも通じる思いで、世界中どこへでも行ける、どことでも繋がれる、人類未開の地、未踏の場所などもう今では一切ないように感じがちな現代だけど、実際には人がいかに限られた場所で暮らしているのか、人としての活動の限界をしみじみ考えたりもする。


 朝から海で泳いで、ひと休みして、午後は恐怖の少ない安全なプールでひと泳ぎ。帰宅した翌日、また同じメンバーで昨日泳いだ熱海の海を思い出しながら区民プールへ。もうまるで水泳部の合宿のようだよ、楽しいけど(笑 真っ青なプールの底を眺めて泳ぎながら、今年の夏は、よく動いて、よく遊んでるな〜。仕事、しないとなぁ〜。夏だなぁ。





Summer fruit, grapes
 
 こうして子どもと一緒にプール通いするのもきっと今の時期だけ。その時その時にタイミングや役割があって、そんな日々はあっという間に過ぎてしまう。季節が来ると美味しくいただける旬なフルーツのように。いま、美味しい時に楽しんでおかないとね。


 さて、日が暮れる前にまた泳ぎに行ってこようか。








03 August, 2017

黒戸尾根からの縦走

Lamp of mountain hut

 山へ行ってきた。初めての南アルプス、甲斐駒ケ岳。山梨県と長野県の県境に位置するこの山は長野県伊那市側からは東駒ケ岳とも呼ばれる。甲府駅、伊那市駅からどちら側からもおよそ2時間程度、バスで移動することで登山拠点となる北沢峠まで登ることができる。北沢峠からは甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳の両方へ4時間ほどで登頂できるため、多くの登山者は北沢峠から登るルートを選択するらしい。上の写真は北沢峠こもれび山荘の入り口にて。

 今回は北沢峠からではなく山梨県側、200年ほど前に山岳信仰の道として開山された黒戸尾根ルートを歩く。8時間ほどかけ標高差約2,200mを登り2,967mの山頂を目指す。

Mountain trails at Shichijyo,Kuroto Ridge

Mountain trails in the forest zone


 秋には落葉樹の落ち葉のラッセルとなるという黒戸尾根の登山道は、山岳信仰の道。仏像や祠が点在し、自然の造形の不思議さ、美しさだけでなく、多くの人の思いや歴史、山と人の結びつきを感じさせてくれる道だと思う。登り始めてしばらくして降り出した雨は樹林帯の木々が傘代わりとなってくれて、水はけの良い落ち葉の道はフカフカで膝に優しい。日本三大急登の一つといわれる黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳登山だが、長い時間をかけてゆっくりと確実に標高を上げていく印象。




Alpine climber Mr.Yasuhiro Hanatani 今回は登頂は翌朝とし七号目付近の小屋で一泊する。黒戸尾根には多くの山小屋があったが現在は七丈小屋のみ。そしてこの春から小屋番として七丈小屋を管理しているのがアルパインクライマーの花谷泰広さん。ぼくの大学の同期、特にこまくさ寮のみんな、覚えていますか?...そう、95年寮長の花谷くんです。あの当時から山に登るために信州大学へ来て、今や日本を代表する登山家だ。数年前に山の雑誌の記事で彼の姿を見つけ、驚き、憧れ、誇らしくなった。もちろんぼくはあの当時から、目的意識薄いモラトリアムな大学生で、バイクと音楽とお酒と女の子のこと、それと写真のことばかりしていたわけで、彼の活躍を誇らしく思うほど親しかったわけでもないのだけど。それでも、誌面で彼の変わらない笑顔を見つけてとても嬉しくなった。実のところ今回の登山は、彼がガイドを務め、七丈小屋に泊まるということで、甲斐駒ケ岳への登山というよりも彼に会いたいという一心で参加したのでした。




From the Kuroto ridge, look over Houou-sanzan in South Alps

 翌朝、七丈小屋から山頂を目指して出発。ここから先は稜線の景色が開け、ぐんぐんと高度感が上がっていく。眼前には鳳凰三山、地蔵岳のオベリスク。快晴の日はその奥に富士山の姿が重なるという。

 信仰の道は山頂まで続く。岩場、鎖場の脇にも石仏や石碑が並ぶ。ここまでどんな思いで背負い運び上げてきたのだろう。自然と手を合わせる。そして八合目の御来迎場あたりから山頂方向を見上げると巨岩に突き刺さる二本の剣が見えてくる。不動明王の剣だろうか、巨大な剣が突き刺さったその姿は見たことのない異様さもあり、しかし神々しく、黒戸尾根を強烈に印象付ける忘れられない景色だった。

Two swords at the summit



Mt.KaiKomagatake peak

 甲斐駒ケ岳山頂の祠。山頂は雲に巻かれ展望はきかなかったが、わずかに青空が抜けてくれた。開山されたのはおよそ200年前だが、山頂付近からは縄文時代の土器が発掘されたという。信仰と結びつくはるか昔から、人がここまで歩き登ってきていたことを思うと、人を惹きつける山という存在、そしてそれに惹きつけられる人の心情も、実は今も昔もかわりはないのだと思う。


 その後、北沢峠まで下山しこもれび山荘で一泊。翌朝、仙丈ケ岳を目指す。途中振り返ると、昨日歩いて超えてきた甲斐駒ケ岳と摩利支天、駒津峰、双児山の尾根道が見える。仙水峠を挟んだ向こう側にはサントリーのCMで宇多田ヒカルさんが登って注目された栗沢山。そう、ここ一帯は水がとにかく美味しい。七丈小屋もこもれび山荘も蛇口をひねれば南アルプスの天然水だ。


Mt.Kai Komagatake & Mt.Kurisawa


 黒戸尾根からの2泊3日の縦走。次は快晴の時に。2,200mを駆け上がる急登ゆえに変化に富んだ紅葉が楽しめるという秋、その頃にまた再訪したい。
 
 花谷くん、ご一緒したみなさん、七丈小屋のみなさん、こもれび山荘の方々、ありがとうございました!




詳しいコース&タイムなどはこちらに。















02 August, 2017

ある夏の夕暮れ

One summer evening


朝から夢中でシャッターを切った。

いい一日だった。










23 July, 2017

夏の収穫祭

A park full of cicada's voice


 夏がきた。公園は蝉の声。日差しはジリジリと暑いけど、水辺は風があると気持ちがいい。

 先日、東京を襲った集中豪雨。場所によってはヒョウやアラレまで降ってきて大変な被害があったようだ。ぼくは仕事で離れたところにいたのでその様子は見ていないのだけど、ぼくの住んでいる練馬区あたりもかなり激しかった様子。そう、この時期は畑が気になる。いろんな作物が実をつけている時期だしね。トウモロコシ、倒れていないといいけれど。
 翌朝さっそく様子をみに行ってトウモロコシの無事を確認。集中豪雨は大丈夫だったけれど、もしかして、もうすでに採りどき?ヒゲは茶色くなっていて、いくつかは鳥や虫に食べられた痕がある。慌てて畑仲間に連絡をとって収穫してしまおうということに。

Boiled corn


Corn and Edamame Pasta


 収穫した野菜を畑仲間が調理してくれての収穫祭。トウモロコシと枝豆は生クリームであえてパスタに。ナスとトマトはラム肉を加えたラタトゥイユ風。どちらも驚きのある、でもどこか懐かしい素朴な味で、とても美味しかった。なんといっても育てた野菜を料理してくれる人のいるありがたさ。ごちそうさまでした。

 食事をしながら話すのは、やっぱり畑のことが中心で、実のつき方、成長の早さ、収穫の時期etc...本当に難しい。そして土に植えた種が、空と土からの水と栄養、そして空気中の二酸化炭素をエネルギーに変えて育ち、実をつける不思議。以前、池澤夏樹さんが写真家星野道夫さんについて書かれた「旅をした人」に書かれていたことを思い出す。植物は時間を移動している。動物は時間と空間を移動する。その環境にあるものを植物は集約して、形を変えて再び戻す。動物は水と栄養を貯める歩く皮袋のようなもので、植物が吸い上げた栄養とエネルギーを食べて取り込み、移動してそれをまた別の場所へと運んで行く。食物連鎖や生物濃縮を繰り返す輪の中でぼくらは生きていることを実感する。
 信州小谷村へ鹿皮を鞣すワークショップへ行った時に感じたことだが、その土地で育ったものを食べその土地に生きるということは、その身も心も土地から生えてきた草木のように、その土地そのものなのかもしれない。見回してみると、いつどこで採れたかわからないものの方が身の回りに多くなってしまったなぁ、と感じつつも、身体に入れるもの、自分を構成する要素を意識するということは、つまりは自分自身を意識することに繋がるとても大切な感覚なんだと思うのです。


Ratatouille with lamb meat


 なんてことは微塵にも思わず、ただただ美味しいなぁ、うまいっすね〜、と舌鼓を打つことの素晴らしさよ。人間、美味しいものをお腹いっぱいいただくと、幸せ、感じます。感謝。
 





 そして、美味しい土地のものはなにも人間だけのものではないわけで、収穫のタイミングを誤ると、あっという間に鳥さん、虫さんの食事に。でもきっと、このコガネムシだって、幸せ、感じてるんではなかろうか。だって、このトウモロコシ、とっても美味しいもの。ね。

Scarlet beetle eating corn


13 July, 2017

七月中旬

View from Kitayamasaki Pacific Ocean
 
 暑中お見舞い申し上げます。

 写真は岩手県、三陸復興国立公園の北、北山崎から眺めた太平洋。

 今年も昭文社ツーリングマップルの撮影に東北へ行ってきました。この地図はバイク乗りに特化した地図で、全国に散らばるモニターライダーさんはじめ地図編集部、そして毎年表紙を飾る個性的なライダーさんたちの主観がコメントとして落とし込まれた珍しい地図です。普通に地図を見ていても気がつかない「展望よし」「渋滞時抜け道快走路」「峠の茶屋のそばが有名」などなど、地図の情報とは別にライダー目線で感じた一言が書き込まれているので、ルート設定のイメージがしやすくて、眺めているだけで旅ができる地図です。「スピード注意」も実感がこもっています(苦笑

 撮影中に気が付いたのだけど、東北をベテランライダー賀曽利隆さんに同行するようになって今年で10年目。東北を文字通り縦横無尽に駆け抜ける賀曽利さんに車で必死でついていきながら、東北の絶景だけでなく東北の日常を写してきました。今年はそんな10年を振り返るかのような豪華なルート。
   福島西IC集合、磐梯吾妻スカイラインから蔵王エコーライン、蔵王ハイラインと乗り継いで西へ向かい、月山越え。夕日に染まる出羽三山に参り、日本海に落ちる夕陽を眺める。翌朝は鳥海ブルーラインを山形側から秋田側へ。秋田では八幡平アスピーテラインを岩手山へ向かい、そこから北上して青森十和田湖を抜けて奥入瀬渓谷から笠松峠を越えて、八甲田・十和田ゴールドラインへ入りR103を抜けて青森を染める夕焼けを眺める。
    最終日は八戸から2015年に全焼してしまった蕪嶋神社のあるウミネコ営巣地の蕪島、緑眩しい芦毛崎、種差海岸からR45を南下する。現在、三陸復興道路が急ピッチで建設、延伸され無料開放中ですが、あえて旧国道45号を走ります。国道45号は青森ー仙台間、三陸沿岸を繋ぐ生活道路。震災で大きなダメージを受けた国道でもあります。三陸復興道路の整備が進むことでそれが新たなバイパスとして機能して旧来のR45も渋滞が減り、生活道路として、観光道路として、人も物もスムーズに動いているように感じました。
 宮古の道の駅なんどで美味しいホヤ定食をいただき、その先、R45は復興の進む陸前高田、気仙沼の中心地を抜けていく。三陸自動車道、今年開設されたばかりの道の駅三滝堂で賀曽利さんと別れ、東京への帰路は常磐道を南下しました。国道6号は放射線量の関係から未だ二輪車は通行禁止区間がありますが常磐道は二輪も四輪も通行可能。しかし道の左右が人の営みを感じさせず真っ暗闇なことと現在の区間放射線量を示す電光掲示板の存在が、ここが他の地区とは違う問題と共にあることを伝えています。NEXCO東日本のサイトにも1回走行あたりの被ばく線量の目安の記載がありますが、よく理解していないものへの怖さ、見えないものへの増大する恐怖感、またはよくわからないことへの無自覚、見えないものを無視してしまう都合の良さを考えずにはいられません。ちなみに一回の走行あたりの被ばく線量は胸部X線写真の1/300だそうです。

 今回の走行距離、東京自宅から青森駅前まで行って帰ってきて1,992km。福島、山形、秋田、青森、岩手、宮城と東北縦横無尽。そして10年でまったく雨の心配なく青空の下を3日間走ったのは初めてだったかも。あ〜、楽しかったなぁ。ぼくの夏休み第一弾、無事終了です!(仕事ですw)


 下の写真は午後の日差し煌めく十和田湖の湖畔。翌朝は十和田湖マラソンが開催されることもありいつもより賑やかだった。
   東北の夏、最高です。


Sunlight through Towada Lake