16 September, 2016

写真会議




カメラマン5人と編集者1名の6人で写真を展示しています。





メンバーは写真家、Photographer、カメラマンと呼び名はいろいろですが、普段、仕事で写真を撮っている方と、仕事で写真を扱っている編集者。
基本的にカメラマンってひとりで現場に入ることがほとんどで、縦のつながりも横のつながりも出会いもあんまりないもんです。時々、ファミレスや居酒屋に集まって、仕事の話、現場の話、お金の話、機材の話、家庭の話、ノンジャンル、オールジャンルで情報交換していたのですが、やっぱり集まるとそこはフォトグラファー、写真ってさ、とそれぞれの哲学が見えてきたりして、いつも現場でひとりぼっちだから、そういった写真への思いを言いあえる先輩や仲間との時間は本当にかけがえなのない楽しいもの。

で、今回、場所変えて呑もうか(w
ということで、写真を眺めながら、続きをしようじゃないか、という企画だったりします。

仕事の写真、趣味の写真、普段撮っているものも、扱う媒体も違うメンバ−6人。いろんな人がいて、いろんな写真があって、でも写真を通して世界を見ている。もっとバラバラな印象の展示なるかと思いましたが、昨日、設営を終えてみると思った以上に「写真展」です(笑

また会場では、「3分動画」としてフリーテーマでそれぞれが撮ってきた3分間の動画を流しています。これがまたなんというかその人の映像、写真への姿勢というか、おもしろがり方がにじみ出ていてジワジワきます。

気軽に、ビールでも片手にお立ち寄りください。


ちなみにぼくは今回は猫ではなくて、「Days off」というテーマです。







Days off  …   休日、休暇 

写真を撮っている。仕事で。被写体の魅力を最大限に引き出して、少しでも伝わりやすいよう構図や光を工夫して撮っている。仕事で写真を撮る時は「カメラマン」スイッチがオンになる。なにか特別なセンサーが働くとか、必殺技が使えるようになるわけではなくて「カメラマン」という役を演じている、といった方がいいかもしれない。撮影は不定期で、毎日、現場が変わり、スタッフやチームも毎回違うことが多いため、いつも初めての場所へ出かけていく心持ち。その中で、ブレずに自分の仕事を遂行するためのスイッチだ。誰もが、学校や職場、家庭、それぞれの居場所でそれぞれの顔を持つように。

「休みの時は写真を撮らない」というカメラマンも多い。気持ちはわからないでもない。毎日仕事でカメラを持って、何千回というシャッターを切っているんだもの。お休みの日くらいファインダーはのぞきたくないよ、というのももっともだと思う。でも、ぼくは肩からカメラをぶら下げて出かけてしまう。どこへ行くにも。あのスイッチはオフだ。被写体の魅力や、伝わりやすく効果的な構図も狙わない。撮りたい、おもしろい、美しい、切ない、いろんな心持ちはあれど「あっ、いまだ」という時がある。自分のために撮っているのかもしれない。

写真って本来プライベートなものだと思う。そして、もっともっとプライベートなものであっていいのではないだろうか。誰かの見た景色、心象が、全く別の誰かの記憶やイメージとリンクする。それもまた写真のおもしろさだと思う。そもそも自分の撮った写真すら数年後に見返すと、あの時の自分はもういない。今の自分とよく似て違うあの時の自分が見ていた景色を、写真を通して共有しているのかもしれない。写真というものが記録しているのはどうやら景色だけでないようだ。


そんなカメラマンスイッチの入っていない写真を。
ぼくの休日の写真をごらんください。



2016年9月
巢山サトル








お待ちしています♪


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